Edpuzzleの反転授業は、基本的に授業動画を自宅で視聴するように生徒に割り当てることと、授業時間をより有意義な活動に使うことで構成されています。生徒は、自宅で Edpuzzleの動画を自分のペースで見て、レッスンの基本的な知識を学びます。そうすることで、教室の中では、トピックについて生徒の理解を深めるための活動により多くの時間を割くことがことができます。Edpuzzleを使うと、反転授業を実践することが可能になります。その方法について、以下をお読みください。
算数 / 数学、理科 / 科学
算数・数学および理科・科学は、通常、理論と実践の 2 つの部分で教えられます。多くの教師は、カリキュラムが幅広いため、理論を教えることにほとんどの時間を費やし、問題解決や知識を応用することのできるプロジェクトを取り入れる十分な時間がないことに不満を抱いています。ここでは、動画が役立ついくつかの方法を次に示します。
- 基礎的な理論を教える動画を割り当てる Edpuzzleには、すべての科目の基本的な内容をカバーした多くの動画が作成してあります。それらの事前に準備された授業動画を「Curriculum(カリキュラム)」セクションから選んで、生徒が自宅で視聴するように割り当てます。授業時間は、疑問を解消したり、生徒が重要な概念をより深く学ぶために使います。生徒は必要に応じて動画を何度でも視聴できるため、知識を説明するために授業時間を使う必要がなくなります。
- 動画を使って問題の解き方を教える 問題を解くための標準的なプロセスを説明する動画を割り当て、授業に来る前に生徒が練習できるようにします。そうすることで、授業時間を応用問題に費やすことができるようになります。
- 動画で生徒の関心を引きつける ドキュメンタリー、実験、その他の動画を共有して、生徒を驚かせ、興味を引きつけます。動画を見ている時の生徒からの質問、反応、意見を収集し、そのデータを教室での時間を有効活用するために使用します。
- クラスのルールを動画で共有する 通常、教師はクラスのルール(行動、実験室の安全など)を繰り返し説明することに多くの時間を費やしています。ですが、動画を録画し、理解度を確認するための問題を埋め込むと、毎年同じ動画を使用できるので、時間を節約できます。
言語
言語を教えることは大きなチャレンジです。限られた時間内で、読む、書く、話す、聞く…すべてを教えるのはほぼ不可能です。しかし、授業動画と反転授業は言語のレッスンに大きく役立ちます。
- リスニングの理解度をチェック CD は忘れましょう。YouTube動画を使用して、理解度を確認するための質問を埋め込むことができます。ライティングスキルを必要とする記述解答式の質問や、語彙チェックのための多肢選択式の問題を埋め込みます。
- 議論を始める YouTube動画を使用して、興味深いトピックを共有します。意見を求める自由記述形式の質問を埋め込み、その解答をもとに教室で議論を始めることができます。
- 動画でバーチャル遠足に行く 学んでいる言語が話されている国に生徒を実際に連れて行くことはできないかもしれませんが、動画を使ってバーチャル遠足でその国に行き、文化を探索し、ネイティブスピーカーが話しているのを聞くことができます。
- 新しい文法や語彙を共有 何千もの文法規則や語彙を紹介する動画があります。Edpuzzle で、生徒が自宅でこれらを学習できるようにし、教室での時間は練習に使用しましょう。
社会科
社会科の基準は常に変化しており、その範囲は非常に広いため、限られた時間で必要なカリキュラムをすべてカバーするのは困難です。あらゆる分野の専門家になることも難しいです。Edpuzzle を次のことに使用してください。
- 専門家を紹介する 社会科のさまざまなトピックに関する専門家のTED トークがたくさんあります。これらの動画を自宅で視聴するように割り当て、生徒に視点を尋ねたり、内容を要約させたりすることができます。授業時間は、重要なアイデアについて掘り下げたり、質問に答えるために使いましょう。
- 本を充実させる 動画を使用して、生徒が読む本の内容を充実させます。デジタル コンテンツを使用して、学んだばかりのトピックについて理解を強化したり、そのトピックについて更に知識を広げることができます。すでにオンラインで利用できる素晴らしいリソースがあります。理解度を確認するために問題を埋め込んだり、授業時間を使ってディスカッションをしたり共有したりすることができます。
- スライドを動画に変換する スライド プレゼンテーションをすばやく録画し、Edpuzzle にアップロードできるオンライン ツールが多数あります。講義を課題として割り当てることができるので、教室では節約された時間を質問に答えたり、プロジェクトに取り組んだりするために使用できます。
- 生徒のための無料チューター Edpuzzle には無料で使用できる優れた多くの動画リソースがあります。ワンクリックで、Crash Course や Khan Academy の素晴らしい動画を使用して、授業で扱われる概念を学習したり、特定のトピックを強化したりするための方法の一つとして生徒に示すことができます。Edpuzzle を使用すると、生徒に学びへの責任を持たせるとともに、質問や懸念事項を簡単に把握することができます。
特殊教育
特殊教育の生徒には個別の配慮が必要ですが、カリキュラムをカバーし、生徒との 1 対 1 の時間を取り入れるのは難しい場合があります。ここでは、Edpuzzle が役立ついくつかの方法をご紹介します。
- 学習ステーションを作る 2 、 3 つのステーションを作り、生徒をローテーションすることをお勧めします。動画ステーションでは、生徒はヘッドフォンを使うようにし、いくつかのの動画を用意します。ヘッドフォンや動画などの視覚リソースを使用することで、生徒の集中力と情報の保持力が高まります。他のステーションでは、ワークシートや実践的なプロジェクトをしたり、教師との 1 対 1 の時間を含んだ活動を行うことができます。そうすることで一人一人の生徒に注意を払うための時間が得られます。
- 行動について話す 特殊教育の教師の多くは、現実社会の状況の説明に多くの時間を費やしています。生徒にとって、その特定の状況や背景を思い描くのは難しいかもしれません。動画授業を使用すると、特定の社会状況について視覚的な例を提供できます。
その他
先生がどの科目を教えていらっしゃる場合でも、Edpuzzleは、授業で動画の威力を発揮するためにお役に立ちます。Edpuzzle は次のような目的にも使用できます。
- 代理教師として 病気や旅行中で、自分がいないときでも生徒に学習を続けてもらいたい場合は、代理教師がいる間に完了する授業動画をいくつか割り当てることができます。生徒に責任をもたせ、解答を読み、戻ったときに中断することなく授業を続行することができます。
- 教室内で反転授業を実践する 一部の生徒が自宅でインターネットにアクセスできない場合や、教室で利用可能なラップトップ/タブレットを活用してもらいたい場合に、この方法を強くお勧めします。教室内の反転授業は、ステーション ローテーション モデルのステーションの 1つが Edpuzzle の授業動画を視聴するためのステーションです。15 ~ 20 分ごと (動画 2 ~ 3 本) で、生徒は次のステーションに移動します。異なるステーションを設定して、生徒がさまざまな学習方法 (仲間との学習、作文/練習問題、教師による講義、プロジェクトベースの学習、または実践的な実験) を通して同じ概念を学習するようにすることができます。
- 手話 授業動画は、手話を学ぶための視覚教材として、手話の教師たちに大変人気があります。さらに、質問を埋め込むことができるため、生徒は会話の文脈や特定の記号の意味を確実に理解できます。自宅で視聴するよう生徒に動画を割り当てて、生徒の学習データや視聴履歴を確認することもできます。
- 体育 コーチや体育教師は動画を特に好み、テクニックや戦略を見直したり、生徒のやる気を引き出すために、これまでも長い間、動画を利用してきました。Edpuzzle を使用すると、ついに、これらのアスリートや学生に学ぶことへの責任を負わせることができます。生徒と一緒に練習したいスポーツの基本ルールを説明する動画を使用したり、練習中に取り上げたい特定の攻撃プレーを見るよう割り当てたりすることができます。可能性は無限大です!
- 専門能力開発 教師も生徒になる時がありますが、専門能力開発を実施する時期になると、おそらく疲れていたり、他に取り組まなければならない無数のことが頭に浮かんでいることでしょう。しかし、自宅で視聴する動画を割り当てることで専門能力開発の学習を反転し、授業時間を質問に回答するために使用したり、教師が教室で新しい概念をどのように実装するかを計画する時間を確保できます。また、作業を監督したり、一緒にブレインストーミングをしたりすることができます。
- 音楽 動画は優れた音声のリソースです。多くの音楽教師が Edpuzzle を使用して楽器やミュージカルを教えています。生徒のレベルに応じて、自宅での練習用の動画を割り当て、授業時間はチームでの練習に使用したりできます。
ヒント
反転授業では、次の 2 つのことを理解することが重要です。これについてはさらに詳しく説明します。
- 生徒は YouTube が大好きですが、動画から学ぶことは身に付ける必要のあるスキルです。
- 変化には忍耐が必要です。
授業動画から学ぶ方法を生徒に教える
生徒、保護者、他の先生方、校長先生に、教室を反転する目的をあらかじめ説明することを強くお勧めします。最終的な目標を理解していると、参加してもらいやすくなります。
最初の授業中に、教室で視聴する動画を割り当てます。生徒をグループで視聴させたり、一人一人で視聴させることもできます。動画を一時停止する、理解を高めるために動画の特定の部分をもう一度見る、コンピュターの前に姿勢良く座る、メモを取る方法など、動画を視聴するにあたって望ましい学習行動を取り上げます。
その後、生徒が動画を使って数回練習し、生徒が期待される行動を理解したら、週に 1 ~ 2 本の自宅で視聴するための動画を割り当てるようぜひお勧めします。完了した課題の数を測定し、動画の長さ、問題の難易度、レッスンの内容について生徒からフィードバックを受け取りましょう。
1 つまたは 2 つの単元を完了したら、従来の教え方には戻りたくなくなることでしょう。
変化には時間がかかります
多くの教師は、すべての授業を反転しなければならないとお考えになるかもしれませが、決してその通りではありません。初めの年は 1 つまたは 2 つの単元に反転授業を取り入れ、2 年目はさらにいくつかの単元で取り入れることをお勧めします。
同じ学部や学校で反転授業を実践したい人がいると、とても良い影響があります。コンテンツと実践例を共有し合うことで、反転授業の導入がより容易になることでしょう。
生徒は最初は気が進まないかもしれません。動画に注意を払い、問題に解答しなければならず、動画を見ることが、簡単な受動的な経験ではなくなるからです。しかし、長期的には、生徒の理解力と成績に変化が見られるようになります。諦めないでください – 結果は必ず表れます!